2025年3月の活動

2025年03月20日

前月に引き続き、チーム虹の戦士として3月14日〜16日の3日間、能登での支援活動に従事しました。

初日は午後からの活動。来週地域で行われる写真洗浄会開催のお知らせチラシ配布のため、車でいくつかの仮設住宅を周ります。

各戸にポスティングをしていくなか、敷地内で住民の方に出会ったら洗浄会開催についてお話して「水害で汚れてしまった写真ありませんか?」と声をかけるのですが、住民の方からは

『「家」にあるんだけど、倒壊の危険があって入れないのよ』
『もーなんもねえ。全部流されちゃった』

などとお答えいただくことがとても多い。

洗浄を依頼したくても写真(思い出)を流されてしまった、あるいは写真は残っていても実家に倒壊の危険があり取りに帰ることができない現実。

我々ボランティアは忘れてしまいまいがちですが、仮設住宅に住む人は皆、何らかの形で本当の「我が家」に住めなくなってしまった人たちなのだということを改めて思い知らされました。

仮設住宅のごく近くでも、被害の爪痕は生々しく残っている
仮設住宅のごく近くでも、被害の爪痕は生々しく残っている


活動2日目。この日メインの作業は日本海に面する輪島市大沢(オオザワ)という集落にて、現地で先行して活動する「DRT JAPAN」さんと連携して土砂・瓦礫の撤去にあたります。

NHK朝ドラ『まれ』のロケ地であった間垣が美しい小さな漁村ですが、驚いたのはこの集落はこの12月まで集落に繋がる一本道が開通しておらず、そのため復旧のための人材・機材も入ることができずにほぼ1年間孤立していたとのこと。3月現在でも電気も水も通っておらず、一歩入ると家の軒先を土砂が覆い、港も隆起してしまって船が陸上に投げ出されている状況です。

「大沢・上大沢の間垣集落景観」については  こちら >>(PDFが開きます)


この集落を将来的にどうするのか(再び人が戻り、生活できるようになるのか)についてもまだ見通せず、最悪の場合は集落を放棄する可能性もある現状。

昨年元旦の地震・9月の豪雨と二重の被害に遭い、故郷に戻れない住民の方のご苦労は如何ばかりかと気が沈んでしまうような状況ではあるのですが、それでも可能性がある限りは住民の方に『未来の選択肢を残す』ために我々は手と体を動かすのみ。

小3男子、大活躍!
小3男子、大活躍!

重く硬く固まった泥との格闘にチームメンバーの足腰が悲鳴を上げるのを尻目に、最年少の小学三年生戦士が無尽蔵の体力で大活躍。彼の奮闘のおかげもあり、この日のうちにいくつかのお宅のお庭や通路の泥だしを終えることができました。


一方、所用でこの日からの合流となった別のチームメンバーは能登町のお寺での側溝作りに従事。

重機隊の掻き出す泥を整え、今後雨が降る際に土砂がぬかるまないように土を固めた上で水が脇を流れるようトタンと土嚢で側溝を作成するというこれまた重労働ですが、こちらも元体育会の体力を存分に発揮してこの日の任務を完了しました。

人力と機械のコラボレーションで任務完了。
人力と機械のコラボレーションで任務完了。


明けて活動3日目は、輪島市内のお宅での家財ごみや土嚢の運び出し作業に従事。

この日は生憎の雨模様だったため土嚢も水を含んで重くなっており、昨日に続いて中々体力的にハードな現場ではあったのですが、20代の体力自慢から50代の痛風持ちまでそれぞれのメンバーが力を合わせ、黙々と積み込み・運び出しを行います。

作業はかなり身体に堪える内容でしたが、作業の休憩中には土嚢を運び出したお宅の住民の方からコーヒーをいただいたり、改めて御礼の言葉をいただいて、改めて現地住民の方にお役に立てている実感が湧いてきます。

大型家財ゴミや土嚢をダンプに積みこみ、30分ほど離れた集積場まで運んで捨てるのを数度繰り返して現場に目処がつき、心地よい疲れと筋肉痛とともにこの日の活動を終了しました。

お風呂で汚れと汗を流して拠点に戻ってからは、この日それぞれの現場から戻ってきた他チームメンバーや学生ボランティアさんとの交流。世代や立場の違いを超えて大いに語り合いつつ、夜は更けていくのでした。

チームメンバーが腕を振るった料理も拠点で大変好評でした
チームメンバーが腕を振るった料理も拠点で大変好評でした

今回も3日間の活動期間はあっという間に過ぎ、チームメンバーは翌朝能登空港より機上の人となりました。


さて、年度替わりの時期となり、それぞれに本業を持つ当会メンバーは能登での現地活動を少しの間お休みせざるを得なくなります。

これまで毎月能登に通い、微力ではありますが能登の復興支援に携わった者としては大変もどかしく、また現地で知り合った住民の方々や長期にわたって支援活動を続けている長期ボランティアの方々に対する申し訳なさの感情がどうしても生まれてしまいますが、我々のチームやチームメンバーが「現地に行く」以外の方法でできることはきっとあるはず。


「能登の現状を知ってしまった者」として、離れた地にいる我々にどのような形で支援が可能なのか。当会は知恵を絞り、能登半島の現状を伝え、復興のために汗をかいてまいります。




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