
2024年末の活動 後編
能登での活動3日目。翌朝には能登を発つため、実質的に今回訪問の最後の活動日になります。

本日も2チームに分かれての活動。この日のAチームは能登町の柳田の手前、天坂というエリアの個人宅での土砂出し。
能登町では個人宅内の泥出しはほぼ完了してきているため、現在はこういった屋外の土砂崩れ等の対応がメインとなっています。能登は家の裏に傾斜のある裏山を背負った家が多く、その裏山が崩れ、家にのしかかっているようなケースが非常に多いのです



家屋の裏まではトラックは入れないので、裏から表までネコ(一輪車)を使用し人海戦術で土砂を運び出し、それをダンプで捨てに行くことをひたすら繰り返します。 寒い中での作業で、依頼主さんからわざわざ休憩用に石油ストーブまでご用意いただき暖まりました。
他方、Bチームは、災害NGOラブ&アースさんが主催する「サンタプロジェクト」に参加。

サンタプロジェクトは、サンタクロースに扮したメンバーが仮設住宅や地域の交流場所を訪問し、全国からの支援のお菓子袋(+ホッカイロ)をプレゼントとしてお届けする活動です。
この日のサンタクロースは能登町内の仮設住宅をメインにお伺いすることに。
町内の仮設住宅は16ヶ所(2024年12月23日時点)に点在しており、とても1日でカバーできる範囲ではないのですが、できる限りお伺いしようと張り切って回ります。
アポなし・戸別訪問ゆえに昼のうちはお届けできないお宅も多かったものの、夕方を過ぎるとご在宅の確率も高くなり、徐々にプレゼントをスムーズにお渡しすることができるように。
途中雨に降られつつ、昼過ぎから夜までかけて全体の2/3ほどの仮設住宅にお伺いすることができました。

プレゼントをお渡しする際には老若男女問わず皆さん喜んでいただき、たくさんの笑顔を見ることができました。皆さんからは「ありがとう」の言葉を何度もいただき、サンタ役のこちらが却って心温まり元気をもらいます。
一方で、「今年のお正月は孫が来ないんだよね」とポツリとこぼす方や「誰も尋ねてこないから来てくれてありがとう」と仰る方もおられたりなど、住民の方の葛藤や本音も垣間見え…
ただクリスマスサプライズが嬉しい、だけではない現地の実情を肌で感じる活動でもありました。
4日目、本業の都合により午前中に拠点を辞去して空港へ。束の間の晴れ間に見送られながら能登を後にし、今回の活動は終了しました。
(ちなみに当会会長は午後東京でのミーティングに出席する必要があったのですが、午前便で能登を発って午後から東京でのミーティングに十分間に合いました。能登ー東京は意外に近い)

今回は実質3日間の活動のなかで、重機を使った大規模な土木系作業から手作業での土砂出し作業、イベント・生活支援(サンタプロジェクト)に至るまで、幅広い支援活動に従事することができました。
一方、まもなく発災1年を経過する現在でも、なお土砂崩れ箇所や通行止め箇所があったり解体されないままで残された被災家屋が散見されます。
現地の日常風景のなかに災害に伴う「非日常」が色濃く残されており、生活基盤の再建を含めた「復興」は道半ばであることも痛感します。
能登はまだまだ支援を必要としています。2025年も、当会は引き続き能登での活動を続けてまいります。
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